なぜ「ひと夏の恋」は終わってしまうのか?

オンナの叫び

夏が終わろうとしている。

周囲では「夏休みに別れちゃってさ~」「花火大会で浮気現場を見ちゃったのよ」といった破局話に花が咲く。なるべく、咲いて欲しくない花だ。

「ひと夏の恋」という言葉を聞くと、マリンブルー色の涼しげなパステルがかった素敵なものを想起する。

しかし、大半の「ひと夏の恋」は夏の終わりとともに終わりを告げる。一体なぜなのだろうか。

私も「ひと夏の恋」を経験したことがある。

もちろん、ひぐらしの声がよく聞こえるようになったタイミングで終わりを告げた。

その男“K”とは、何の気なしに参加していた勉強会で知り合った。夏が始まったばかりの7月頭のことだった。

「ひと夏の恋」は「ひと夏」だと思わせない

なぜか「間違いなく恋」だと思った(当時Kも同じことを言っていたが、おそらくミラーリング効果を試したのだろう。姑息な野郎め!)。

恋に盲目な私の性格のせいなのか、それとも降り注ぐ暑い日差しのせいなのか。

猛烈に夏の暑さに負けないほど恋愛に燃え、当時2年も付き合っていた彼氏をあっさりと振った。

「好き」とか「付き合おう」とかそんな言葉は二人の間には存在しないかのように、あっという間に二人で過ごす時間は増えて気づけば週の半分はKの家に居座っていた。(今思えばこの中途半端さが良くなかったのだが)

夏のイベントはますます恋を加速させる。

一緒にお祭りに行ったり、映画に行ったり、有名なかき氷を食べに行ったり。夏の夜中にちょっとそこにあるコンビニまで行く散歩は、きっと世間のカップルの夏の思い出のTOP3に入るのではなかろうか。

その時の私はそれが「ひと夏の恋」だなんて考えもしなかった。

消えたK

お盆休みが明け、夏の日差しも落ち着きを見せ始めた頃、突然Kからの連絡が途絶えた。

LINEを送っても返信がないし、電話もつながらない。既読になっているので死んではなさそうだ。

家を知っているので行くこともできたが、行くことはしなかった。

無意識にも、行ったら全てが終わってしまいそうな予感がしていた。

「しつこく追う女は良くない」自分に言い聞かせて、2週間連絡を取らなかった。

9月に入り本格的に夏が終わった。

ある日酒を飲みすぎた私は、勢い余ってKに電話をかけたらしい。

すると、想定外なことに電話がつながった。「・・・・・・もしもし?」さっきまで泥酔していたのがウソのように冷静になる私。

「ごめん、好きなのかどうか分からなくなったからもう会えない」

電話口から冷めた声が聞こえ、そのひと言で私の「ひと夏の恋」が終わった。 (そもそも、好きとか付き合うとかという話になっていなかったのではじまってなかったと言えばそれまでなのだが)

「ひと夏の恋」は「幻想」なのかも

夏は誰しもが活発に、行動的になる。イベントも春夏秋冬通して一番多い季節だ。

夏という季節は、人を恋愛モードにしやすいので、きっと「ひと夏の恋」なんてものは「幻想」なのかもしれない。

夏が見せる蜃気楼のようなもので、きっと存在しない。

なかったものと同じようなものに惑わされてしまうからこそ、はかなく美しく終わってしまうのではないだろうか。

もしかすると、夏に恋愛をするのではなく、夏は異性を吟味する時間に充てて誰とも付き合わないのが正解なのかも。

この夏「ひと夏の恋」が終わってしまった人

この夏の恋は幻想にすぎなかったのだと割り切って、秋の素敵な恋愛に期待しよう。

書いた人 萩 ゆう

住むところは中国地方や関西、関東など、全国各地を転々と暮らすフリーライター。 温泉メディア、女性メディアなどで執筆中。特技はマラソンでフルマラソンはサブ3。

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧