私がトイレに入ったら最初にすること

国会とか点検とか、問題はそこじゃない
日刊スポーツ 国会議事堂内の女性用トイレで盗撮 「聞いたことがない」 犯人は逃走
ネットでニュース記事を漁っていたらこんなタイトルを見つけた。
ここ数日、テレビでは、コロナ対策やオリンピック問題が多く取り上げられ、これはあまり報道されていた印象が無い。
記事の最後はこう締めくくられている。
盗撮事案の発生を受け、衆院では、女性衛視によるトイレ内の点検など、警備を強化。
また情報を共有した参議院でも、巡視を強化している。ある国会関係者は「国会の施設内で盗撮など聞いたことがない」と話していた。
盗撮されたことも、巡視が手薄だったことも、もうどうしようもない事実だ。
根本的な問題はそこじゃない。
私がこの記事を読んで真っ先に思い浮かんだのは、一人の女性が傷つけられたって言うこと。
国会とか議員とか抜きにして、人として最低の記憶を植え付けられてしまったということが問題なのだ。
女性がトイレに入った瞬間、何をしているか?
以前、確か韓国の女性が書いた本で読んだことがある。(タイトルを失念してしまった)
そこに書かれていた「公共トイレに入った時の、男女の行動の違い」に共感した。
男性にとっては、用を足す目的が第一優先だろう。
でも女性のリアルな行動はこうだ。まず「盗撮されてないか」をチェックする。
私は普段トイレの個室に入って鍵を閉めた後、まっさきにドアを観察する。
天井と床、それぞれドアに対してどれくらいすき間があるか?
トイレの個室って、こりゃ盗撮されても仕方ないよなって思うくらい、すき間が空いてるのだ。
隣の個室との間にも、すき間があったり。
体をうーんと真後ろにひねらないと、トイレットペーパーが届かない位置にあったり。
ちょっと気をそらした瞬間、撮られてもしょうがない。
そう諦めてしまうくらい、とにかくトイレが残念なのだ。
でも、おかげで警戒心が生まれる。
この警戒心のおかげで、件の女性議員も盗撮犯を発見したんじゃないだろうか?
用を足しながら、警戒心を保ちつつ、ドアを見張っている。
これが、女性のリアルな姿だ。
しかし、このドアのすき間が罪なのではない。完全にすき間を埋めてしまうと、
個室が密封空間になり、最悪ドアが開かなくなってしまう可能性があるのだ。
ドアのすき間以外にも、ボロボロの壁に亀裂や小さな穴を見つけると、
この中にカメラが仕込まれているんじゃ?と疑ってしまう。
都内の駅構内にあるトイレで、こういう異変を見つけたら、トイレットペーパーをちぎって丸めて穴をふさぐことにしている。
別に盗撮カメラだと決めつけるわけじゃないが、こういう草の根運動をしていかないと、収まらない気がする。
女性の皆さんにも、ぜひ協力して頂きたい。
私たちはいつも警戒しながら用を足している
物心ついて「女性用トイレ」を使うようになってから、いつだって警戒してきた。
どんなに清潔なトイレでも、どんなにデザインにこだわったトイレでも
今も女性たちは、緊張しながら、怯えながら用を足している。
東京に来てから、公共トイレで安心したことなんてなかった。
どうしてオンナはこういう役目を背負わされるんだろう?
巡視を強化する? 盗撮など聞いたことがない? 違う違う。
まずは、そんなことをするバカな人間がこの世にいて、国会に出入りしているっていう事実をもっと問題視するべきだと思う。
もしかしたら、以前からそういう人間がいたのかもしれない。被害に遭った女性議員が、
警戒しながら自分自身を守っていたおかげで、公になったんだよ。
この問題、もっと騒いでもいいんじゃないの?
愚かな人間のおかげで、最低な記憶を植え付けられた女性がいるという悲しみを、たくさんの人に理解してほしい。