自粛生活のおかげで「手荒れ患者」が生きやすくなった

オンナの叫び

嬉しいことが起きた時、願いが叶った時、人は神様や仏様に向かって「ありがとう」って手を合わせる。けれど、私は神様仏様よりも、その合わせた手にこそ感謝すべきだと思う。手は偉大だ。だって朝起きた瞬間からあなたの生活すべてを助けている。あなたの起きるためのルーティンに加勢し、あなたを送り出す準備に全面協力している。スマホで時間を確かめるにも、顔を洗うにも、歯を磨くにも、トイレを済ませるにも、服を着るにも手が欠かせない。みんなもっと、手に感謝するべきなのに!!

・・・と、ひとり狂ったように「手に感謝キャンペーン」を叫んでみたが、これには深い理由がある。実は私自身の手こそが、ボロボロだからだ。「手荒れ」どころじゃ済まない、常に手がボロボロ、ズタズタ。写真も載せられないくらい、一年を通して重症。朝起きて、時々「切り落としたい」って思ってしまうくらいひどい。だから、普通に手が使える人のことを羨ましいと思ってしまう。ないものねだりだ。

「朝が最悪」な理由

朝って意外と「手を酷使する」って時間帯だということ、皆さんはお気づきだろうか?顔を洗って、トイレの後に手を洗って、朝ごはんを支度して片づけて、歯を磨いて化粧して…人によっては運動したりシャワーを浴びたりするかもしれない。これら全部、わたしにとってはやりたくないルーティン。なぜなら「水」を伴うから。手に、指に、傷にしみて、朝から最悪な気分になる。

手荒れを経験したことがない人は、おそらく「なんのこと?」と疑問に思うだろう。でも、一度でも修復不可能な手荒れを経験した人なら、ピンを来るはずだ。それはきっと、割合でいうと女性が多い気がする。家事や水仕事を重ねるうえに、ケアする時間も余裕もなくてどんどん手が荒れていく。皮膚科によっては、主婦に多い症状だから「主婦湿疹」と診断される場合もある。でも、CMでよく流れる“あかぎれ”や“ささくれ”なんて、実は可愛いもんなのだ。ひどくなるとジュクジュクと液が染み出してきたり、母印を押そうにも指紋が判別不可能なほど指の腹が破壊されたりするレベル。私は、その「修復不可能」な状態を経験した。今も継続中。

2週間かけて手を大工事した

手荒れの原因は、水仕事や皮膚の乾燥だけじゃないと私は思う。個人的には、栄養不足、睡眠不足、そして一番はストレスが原因だと思う。手荒れがひどくなる直前、何かメンタルに負担を感じなかったか?顔には出ていないけれど、本当は何が嫌だったのか?自分に問うことにしている。

どんなボロボロの肌も魔法のように治してくれる、奇跡の皮膚科がこの世に存在する。芸能人やモデルも通う、知る人ぞ知る病院だ。その薬を患部に塗って、布製の手袋をはめて、すべての心配事を忘れて、ストレスを吐き出してからゆっくり眠ることにしている。それが、今一番の楽しいことだ。明日じゃなくていい、時間をかけてゆっくり手荒れを治せばいい。今回も2週間ほどかけて少しずつ手指を回復させた。とても見せられないが、大工事する前と後の差は歴然。指が曲がる、皮膚が再生していく。生命力ってすごいなって思う。

コロナは嫌い。でも「自粛生活」が安らぎをくれた

先述のように、私のような手荒れ経験者にとって「朝は最低」であり「ストレス」が手荒れの原因である以上、実は通勤というものは非常に辛かった。それが、コロナがもたらした「自粛生活」のおかげで、生きやすくなった。朝の最悪な時間を、スルーしていいという免罪符が生まれた。

もう一つ嬉しいことが。それは、手袋をはめて外出しても、人目を気にせず歩けること。「除菌警察」が増えたおかげで、真夏に手袋をはめていても「除菌対策なんだろうな」と、スルーしてもらえる。生まれてはじめて、市民権を獲得した気分だ。コロナは許せない。でもステイホームに救われた人って、手荒れ患者に限らず多いんじゃないだろうか?

案外、私にとっては望んでいた世界だったりする。

私が言いたいこと。それは、手が使える日常は当たり前ではないということ。

朝起きて、顔を洗って、トイレの後に手を洗って、朝ごはんを支度して片づけて、歯を磨いて化粧して…人によっては運動したりシャワーを浴びたりするかもしれない。すべてのルーティンに手を貸す「手」は偉大だと思う。でも、考えてみて欲しい。もしもあなたの「手」が使い物にならなくなったら?当たり前に手が使える日は、当たり前じゃないんだと知ってほしい。

書いた人 本間恵理

新潟県出身。東放学園専門学校卒業。学生時代にラジオの放送作家を経験した後、テレビの放送作家の事務所に就職。リサーチャーとして独立後、2020年7月、女性だけ...

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