猫が叫ぶ!?死の間際、愛猫は絶叫してこの世を去った

オンナの叫び

あなたは、愛するペットの最期の瞬間に直面したことはあるだろうか?私は12年にわたり一緒に生活している猫がいる。ここまで二人暮らしが長いと、ペットではなくもはや家族だ。ペットは生活を豊かにしてくれる。結婚するでもなく出産するでもなく、生き物を飼うという形で「家族を増やした」ことで、人生がこんなに楽しくなるんだということを教えてくれた存在だ。

猫と過ごす時間はとても幸せだ。でも長く一緒にいればいるほど、わたしの愛猫の最期はどのように迎えるのかときどき不安になる。仕事で帰れず家を空けることもある。私が遠出して留守にしている間に最期を迎えたらどうしよう。予期せぬ天災が起きたら?よく、猫は死の直前に姿を消すという迷信があるが、室内で飼っている猫はどこに姿を消すのだろう?まだ直面したことがないからこそ、色々よくないことを想像してしまう。

そんな心配を解決してくれる人が現れた。名前はふみちゃん。見た目はごくごく普通の主婦で、私とは東京・恵比寿の路上でばったり会って意気投合し、連絡先を交換した仲なのだ。初対面から一週間後、ふみちゃんにショックな出来事が起きた。彼女が飼っていた愛猫が、腎臓の病気で天国へ旅立ち、そこからふみちゃんはペットロスに罹り、すっかりふさぎ込んでしまったのだ。あれから5年。ペットロスから立ち直ったふみちゃんが連絡をくれた。

彼女は、私の心配を察していたかのように、「猫が最期を迎える瞬間」について事細かに教えてくれた。まるで、それを伝達するのが使命であるかのように。

結論から言うと、猫は急にぱたりと亡くなったりはしない。飼い主に知らせて、飼い主が気づくのを待ってから、天国へ旅立つのだという。その瞬間、まさに断末魔の叫びのごとく、人間のように叫んで旅立ったという。猫が人間のように叫ぶだって?まさか!と最初は信じられなかった。

ふみちゃんの愛猫は、うにちゃんという名前だった。実は私たちが出会った時、お互い、恵比寿のペットショップの前にいた。そこでガラス越しに、同じ子猫を見て、「可愛いなぁ」と同じ感想を思っていたのだ。後から知ったのだが、その日はお互い心をすり減らしていた。私は仕事ですり減り、ふみちゃんは愛猫の看病が続いてすり減っていた。なにか新鮮さ、無垢な存在、パワーみたいなものを求めてフラフラと歩いていたら、わたしもふみちゃんもペットショップの前にいた。猫が引き寄せてくれたご縁だ。

ペットを亡くした痛みは、親が亡くなった辛さよりもはるかに上だと聞いたことがある。そんな人生最大の悲しみを乗り越え、ふみちゃんはうにちゃんの最期を話してくれた。

亡くなるその日、ふみちゃんが食器を洗っていると、後ろでガタっと物音がした。後ろには、療養中のうにちゃんが寝ていたので「うに、どうした?」と、後ろを振り返りながら声をかけた。何かあったのか、もしかしたら最期かもと、食器を洗う手を止めて愛猫のもとに駆け寄った。

なんと、病気でずっと起き上がれなかったうにちゃんが身体を起こしているじゃないか!さらに驚くことに、何か声を発していたという。「うううう」のような、「ああああ」のような、人間の唸り声のよう。ふみちゃんは悟った。これが、猫の最期の姿なのかもしれない。なんて生命力!こんな力、どこに残ってたの?

「うに!ママここにいるよ!来てるよ!」と必死で話しかけた。

そして、最後の最後、残された気力を振り絞ってうにちゃんは叫んだ。

「ママ!うに、もう行くね!」と言っていたようだ。

とにかく「あれは人間の叫びのようだった」とふみちゃんは振り返った。5年間もペットロスでふさぎ込んでいた人とは思えないくらい、当時のことを鮮明に語っていて驚いた。二度と思い出したくないだろうと、勝手に思っていた。正直、あのままふみちゃんは立ち直れないんじゃないかとも…。

ペットを飼っている人にとって、どんな最期を迎えるかなんて知りたくないという人もいるだろう。そして、亡くなった後でよく聞くのが「もっと何かしてあげられたんじゃないか」という後悔。

わたしは、どちらも嫌だ。猫がどのように最期を迎えるのかちゃんと知っておきたい。知っておくことで、心の準備ができるからだ。そして他でもないふみちゃんにその最期を教えてもらうことができてほっとした。もちろん驚いた。猫が叫ぶだって!?

猫は時々、人間のような仕草をする。人間のようにしゃべるし、人間のように「羞恥心」がある。だから、最期を迎える瞬間、確かにこの子なら何かを叫びそうだなと思った。その時、何を叫ぶのだろう。

もしペットロスで心をすり減らしている人がいたら、最期の叫び、なにを訴えていたか思い出して欲しい。きっと何か訴えていたはずだ。

そして、5年もふさぎこんだ後、復活する人もいるのだ。どんなにつらい出来事も、時間が解決してくれる。ふみちゃんのおかげで、わたしも何かあってもきっと大丈夫という自信をもらった。

書いた人 本間恵理

新潟県出身。東放学園専門学校卒業。学生時代にラジオの放送作家を経験した後、テレビの放送作家の事務所に就職。リサーチャーとして独立後、2020年7月、女性だけ...

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧