心理カウンセラーに聞いた「心が疲れやすい職業」の傾向

オンナの叫び

小園さんの現在のお仕事、クライアントの傾向について教えてください

私は現在、パニックや鬱の方をメインにしたカウンセラーをしています。
この仕事を始めた当初は、主婦の方が多くカウンセリングを受けていました。加えてここ数年は、保育士、小中高の教師など人に教える側の方々、看護師や介護士といった人助けを志す方々、そしてミュージシャンやアーティストから占い師まで、相談される方が多様になってきたように思います。

徐々に頼ってくださる方が増えていき、カウンセリングを希望するお客様が一ヶ月待ちということもありました。カウンセラーとしてやり甲斐を感じつつも、日常で心の中を打ち明けられない人が増えてきたことを肌で感じていました。

人に教える人、人を助ける人。どんな人も悩んでいる

カウンセリングに訪れる人は、どんな悩みを抱えた人が多いですか?

カウンセリングに訪れる方から感じるのは、当初の夢と現実とのギャップです。
例えば、教職。子供達に夢や希望を与えたいという志のもと始めたものの、実際には教育委員会や学校の方針、そして保護者といった大人間の問題の方が多く、労働時間や志とは別のところで疲弊してしまってカウンセリングに来られる方が多くいました。

一方、看護師や介護士などのケアする方々も同様で、当初は「人を助けたい」という強い思いの中、重労働と言われる職に就いた方々。でも実際は、助けたい患者さんよりも縦社会的な人間関係や各職場の方針の方に心が疲弊し、それに伴ってブレーカーが落ちるように体まで動かなくなったという方々の話をデジャヴかと思うくらい何度も何度も聞いていました。

もちろん、どの職業に就いたとしても、働く前の想像と実際に働いてからの現実のギャップは往々にしてあるかと思います。でもその中でも特に、心が疲れやすい方の特徴があるのです。
それは、ただ生きる糧として職に就いたのか、志を強く持って職に就いたのか、この違いです。何かを変えたくて、助けたくて、できなかったという現実とのギャップに打ちのめされるのです。それが無意識のうちに「心のホコリ」となって気付いたら積もり積もっていたと言えます。そうした場面に出くわすたびに、世の中に対するジレンマを私自身も感じていました。

カウンセリング=精神疾患?そのイメージを変えたい

心理カウンセラーのお仕事で苦労している点はありますか?

人は悩む時に「答え」や「悩みの出口」を探します。それは、一人では導き出せないものです。だからこそカウンセリングを活用して欲しいのに、日本の現況からするとまだまだ難しいようです。カウンセリングというものの文化や風潮がまだ「精神疾患」「病院」などといった「重い悩み」というイメージが根強くあるためです。

日本人が「カウンセリング」と聞いて、重く受け取ってしまうのはなぜでしょう?

メンタルヘルスを整える習慣や文化、風潮がないために、カウンセリング自体も「病気」「精神疾患」などと特別視してしまいがちです。大切だと思いながら自分で頑張ろうと放置してしまうことが多くあることが現在の日本社会そのものが閉塞感に包まれている理由であるようにも感じています。

悩みが深く、心身の負担になる、その手前の手前の手前くらいの段階でのメンタルヘルスを整える新たな習慣が、これからの社会には必要です。

カウンセリングの概念を変えるためにどんな取り組みが必要だと思いますか?

私たちは子供の頃から体育や部活などで体をメンテナンスする習慣や教育は受けて来ました。しかし、私たちが口にする「健康」という言葉自体、身体だけで成り立つものではなく、メンタルヘルスとのバランスが必要不可欠であることは誰もが頭では分かっている事ではないでしょうか。
人間は体だけで生きているわけではありません。心にも「健康」が必要不可欠です。

欧米諸国のように日常的選択肢としてメンタルヘルスを受ける環境が必要です。そうした習慣をジムに通う感覚で持つ必要があると私は思います。

取材協力:心理カウンセラー 小園麻貴

法政大学法学部法律学科卒業。
高橋 信法律事務所、弁護士法人AITSにて民事訴訟を中心に従事。
その後結婚、自身のパニック障害、鬱を機に退職。
出産後、株式会社タニタにて企業法務を担当。
2014年から心理カウンセラーとして活動。
2019年にカウンセリング活動の一環としてJapan Expo in Parisにてアマチュアモデルファッションショーに出演。
現在は一般社団法人パラダイス・バード代表理事。

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