自分の「太い脚」が大っ嫌いだった私が自分の「太い脚」に興味を持ったきっかけ

オンナの叫び

初対面の女性と会った時、あなたは最初にどこを見るだろうか?

顔?髪型?ファッション?メイク?

私は、そのどれにも該当しない。

初めまして、こんにちは、よろしくお願いいたします!なんて、

涼しい顔してこなれ感満載の挨拶を済ませながら、私は内心ヒヤヒヤしている。

「あなたは、私より足が細いの?太いの?どっち!?」

私より太かったら一安心。私より細かったら、気が気じゃない。

「私のこと、脚が太いってバカにしてない?」そればっかり気にしている、超ネガティブ人間なのだ。

なんでこんなに脚が太くなったの?

昔のアルバムを振り返ってみると、たぶんきっかけは中学時代のバスケ部。

毎日3キロも走り込んで、跳んで止まって脚を使いまくった。本当は筋肉を酷使した分、ストレッチしたり冷やしたりケアをしないと疲れが溜まってしまう。ところが当時は鍛える一方で「身体のケア」なんてロクにしていなかった。それがきっかけで脚の太さはどんどん成長。でも自分の脚が太いなんて気が付いていなかった。

高校卒業から7年、8年くらい経った頃だろうか。社会人になった私は、仕事、過労、寝不足、ストレスで、毎日もやがかかったままの世界で過ごしていた。自分の顔も、周りの人も、しっかり見ようとしていなかった。ところが年に3回くらい、パッともやが消えて視界がハッキリ見えるチャンスがある。そのタイミングで洋服店に入った時、うっかり見てしまった。自分の脚を。

洋服店の鏡が真実を映してくれた

「え!?今の何!?」

思わず二度見。大きな鏡で正面から自分の脚を見たのは、25年くらい生きてきてその時が初めてだった。あまりにも脚が太くてびっくりした。よく大根足とか例えられるが、私のは大根どころじゃない。京都の聖護院かぶだった。それくらい、脚が太くて白くて丸かった。

ショックだった。そして東京に来てからの自分の行動を振り返った。楽しかった専門学校のサークル、はしゃいだ学園祭、卒業旅行のディズニー…まさか、全部この太い脚をさらしていたのか?冗談!?

以来、脚を隠して歩いた。太目のデニム、ロングスカート。しっかり隠しても、周りが私の脚の太さに気付いてクスクス笑ってるような気がした。

道行く女性とすれ違う時、他人の脚を見てしまう癖が付いたのはこの頃だった。

昨日まで足が太かった私を、今日から変えるには?

「脚を細くするには?」そんなワードでネット検索すると、必ず上位に挙がってくるのが「むくみ」という言葉だ。

むくみ?

むくみって何?

私もむくんでる?

もしかして、気づいてないだけ?

そう、重大に事実に気が付いた。私は脚が丈夫すぎて、自分の脚の疲れに全く気付いていなかった。むくみに気付かないほど、自分の脚を放置していた!

そうか!むくみを取ってみよう。

どうやら芸能人もモデルも、すでに十分脚が細い人たちなのに、この「むくみ取り」を毎日欠かさないらしい。美しい人でも、努力しているんだ!

頭を鈍器で殴られたような衝撃。目からうろこが落ちた。

脚が太い、脚が嫌い、とギャーギャー騒いでショックを受ける前に、まずは脚に興味を持ってみろ!と自分に言い聞かせた。人の脚は嫌でも目に入るのに、自分の脚からは目をそらしていたなんて、私は大バカだ。脚が細い人がやっていることを真似してみよう。まずは、脚を触ってみることから始めた。

私のふくらはぎは柔らかくて、ひんやりしていて、やっぱり太くて、こんなに肉がついてるんだ!と改めて意識した。重要なのは、脚が太いとか細いとかにこだわらず、自分の脚を受け入れる事だ。

実は、脚が太くて助かったこともある

考えてみれば、脚が丈夫なおかげで助かった経験もある。学生時代、ラジオの見習い作家をしていた頃、翌日の収録の企画のために「一口サイズの大福が入ったパックを11袋買っておいて」と言われた時だ。

その商品は特定のコンビ二でしか売っておらず、近くのコンビニでは数袋しか手に入らなかった。その事実に気付いたのが、運悪く終電後。今日中に手に入れなければ、明日の仕込みは間に合わない。そこでやむなく、駅から駅へ歩いて夜中にコンビニをはしごした。寒い時期、雪が降る中でとぼとぼ歩いた。買ったばかりのお気に入りのブーツが擦れて、足が痛くて。でも、私が歩かないと明日の仕込みに間に合わない。私が歩けば、それが何とかなる。一晩中歩きながら「脚が丈夫でよかった」と、この太い脚に感謝した。

東京に住んでいると、交通機関が発達していて足に困らないと思われがちだが、そんなことはない。3.11の影響で交通機関がストップした時も、コロナの自粛期間で人混みを避けながら移動することになった時も、自力で歩き続けることができる太い脚を持っていたおかげで何度も助けられた。今となっては、毎日1時間以上歩くという行為は、もはや私の日常になっている。

まだまだ理想の脚にはほど遠いけれど、ウォーキング、ストレッチ、むくみ取りをできる限り続けることで、私は毎日脚に愛情を注いでいる。最近、ようやく気が付いた。それは、私が他人の女性を見て「脚が細いなぁ」って思うのと同じように、周りの人が私の脚を見ても「脚が太いなぁ」ってしか思わないということ。脚が細いからって仕事ができるわけじゃない。優れた人間じゃない。逆に私も、脚が太いから仕事ができないとか、人として落ちぶれているとか、そこまでは思われないんだなってことに気付いて安心した。

脚に限らず、腕でも、顔でも、お尻でもいい。

自分の身体が嫌いと嘆く前に、その部位を触って、撫でて、愛してみて欲しい。

あなたの身体に今すぐ触れられることは、あなた自身の特権だから。

そのやわらかさ、あたたかさに気付くことが自分を変えるきっかけになると思う。

書いた人 本間恵理

新潟県出身。東放学園専門学校卒業。学生時代にラジオの放送作家を経験した後、テレビの放送作家の事務所に就職。リサーチャーとして独立後、2020年7月、女性だけ...

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