【アフリカに魅せられて】望まぬ妊娠、人身取引、オンナが背負う社会~大自然の絶景と貧困の世界~

オンナの旅

その女性はまだ若く10代と思われる。

「Money」

痩せた片腕で乳飲み子を抱え、もう一方の腕を私に突き出し言ってきた。

彼女の瞳を見たまま、固まってしまった。

アフリカ。

このエリアはまだ戦争、紛争が現在進行形と同様だと私は考える。

なぜなら、表面的には日常を取り戻しているいるように見えても、その犠牲を背負い、オトコの身勝手から逃れられない社会があるから。

自分の意志で、生きていけない多くのオンナがいる。

*シリーズ【アフリカに魅せられて】~大自然の絶景と貧困の世界~全3話

第1話:人種・恐怖の儀式

第2話:サファリの醍醐味とアフリカ女性の美意識

サバンナの絶景の裏は闇の景色だった

ここは地面が赤土で有名。

木々も草も、赤く染められたサバンナ、ツァボ国立公園。

チェックインを済ませ、ホテルの絶景レストランでランチにした。

絶景の理由?

サバンナのオアシス、水飲み場が見えるのだ!

赤土に染められ、オレンジ色になったゾウの集団が喉を潤しに集まっている。

木の下では、オオワシが他の鳥のヒナを捕食している最中。

弱肉強食、自然の掟だ。仕方ない。

サバンナに溶け込んでいるこのホテルは、部屋のバルコニーにサルがいる。

庭にはハイラックス等の小動物が遊びに来てくれている。(見た目はネズミとタヌキを掛けわせた感じ)

ナイトサファリまでの間、プールサイドでビールを飲みながら、サバンナの動物観賞、贅沢な至福のひと時を体験。

一泊の滞在後、ツァボに別れを告げナイロビに移動。

途中多くのモスクやテンプル立ち並ぶ場所で、トイレタイム。

トイレの前に、ドライバーが車を着けてくれたのだが、、、

場所柄なのか、身体の不自由な人や老人が後をついてくる。

トイレを済ませたあと、旅の友がドライバーに確認のうえ、日本から持参していた不要衣類をひとりに差し出した。

あっという間に、物乞いの集団に取り囲まれてしまった 。

どこに潜んでたの?この人たちは?

これはテレビではない。リアルだ。

訴えるような目でこちらを見つめ、手を差し出してくる。

今まで私が生きてきた中で、見たことのない悲しい瞳。

胸の中にモヤモヤを抱えたまま、ナイロビ中心地に向けて車は走った。

交差点では、ライフル銃を肩からさげた警察官が睨みを効かせて立っている。

そんな中でも信号待ちの度に、物乞いが車の窓に近づいてくる。

片足がない人、片腕がない人、子供を連れた母親。

ナイロビの危険と、紛争の足跡を感じる。

スーパーで買い物をしたくて、ドライバーに連れて行ってもらった。

車を降りると再び、物乞いに囲まれる。

その中に6~7歳だろうか?少年がひとり、私に近づいてきて言った。

「bread bread」

その声には力がなかった。

私の脳は、衝撃で思考が止まった。

その横から指し伸ばされた腕の持ち主は 「money」 冒頭の女性。

パンは無い、がお金なら?あげようかと思うがあげていいものか?

ドライバーが気づき、間に入りその女性に何か言っている。

ひとりにお金をあげると多くの物乞いが湧いてきて、収拾がつかなくなるらしい。

(ツーリストを守るのも彼の仕事)

お金はわかる。でも、パンって。パンか、、、

よっぽどお腹が空いていたのだろう。

アフリカはそういう所、との認識ではあったが、やはり悲しい現実だった。

犠牲になるのは何故オンナばかり

日本でも昔オンナは家の為、夫の為と、耐える人生が美徳のようにされている時代があった。

それがアフリカの多くの国では、21世紀の現在もまだ続いているという。

現実に人身取引が横行しているようで、その被害に遭うのは、7割が女性と子供達だという。

性産業、強制結婚、強制労働、そして性奴隷。

悪夢であって欲しいことばかり。

これらは全て、オトコ達の欲求を満たす目的ではなかろうか?

いつからなのか?なぜなのか?

オトコは外で働く、そのため教育はオトコには必要だが、オンナには不要。

そんな考えのせいで、貧困国では女子が生まれたら、生活のために我が子を売る。

人身取引の末、18歳未満での望まぬ児童婚で、人生を奪われてしまう。

(その数は年間で推定1,200万人以上、今も増加しているそうだ)

それは売られた女の子も犠牲者だが、売らざる得ない母親も犠牲者である。

もしかしたら、その母親も望まぬ妊娠で産んだ子供だったかも知れない。

それでも、母性により生まれた子供への愛情がある。

そして、守りたいと思う母親心があるのだから、その胸の内は苦しみしかないのでは?

子供を産める事は、メリットであると同時に貧困国では、デメリットでもある気がする。

一方、日本では離婚後に決められた慰謝料や、養育費のほとんどを払わずして、とぼけているオトコが大半だと、弁護士が言っていたのを思い出す。

シングルマザーの貧困も増えていて、日本でも社会問題になっている。

オトコはいざとなると、逃げるのか!

オンナは、乳飲み子を抱えて生きて行かなければならない。

ライオンの世界でも狩りをするのはメスで、オスはその獲物を一番に喰う。

子供よりも先にだ。

どんなに辛くても生き抜く力、子供を守り抜く愛は、オンナに与えられた能力かもしれない。

「母は偉大だ」というセリフは、ここから出来たのでは?

私がアフリカで出会った女性、少年、物乞いの人々。

人身取引で自分の人生を、奪われてしまった境遇の女性たちを見て、ある言葉を思い出していた。

「アフリカは人生観が変わる」

この旅を通して、いい面も悪い面も含め少しその意味がわかった。

少なくとも、私は自分の人生を自分で決める事が出来ている。

当たり前のようだけど、それは恵まれていて幸せなことなんだと、考えるようになった。

出会った女性たちの悲しい眼差し、小さな叫びはその人生を狂わされている訴えでもあったのだった。

今、世界はコロナウイルスによるパンデミックの渦の中にある。

長引く自粛生活でアフリカだけでなく、日本を含め世界の多くの女性が、家庭内での男性達による暴力や、性被害にあってるという話を聞く。

いつの時代になれば、オンナが耐える日が無くなるのだろうか。。。。

書いた人 一二三輝恵

35年以上にわたり美容業界に携わり、その内25年以上をブライダル業界で働く。 元々脚本家を目指していたこともあり、ブライダル業界にて 新郎新婦からのヒアリン...

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