傷ついているのに笑ってしまう?!痴漢話を笑い飛ばした強がり女子の後悔

オンナの叫び

高校時代、自転車の男に股を叩かれた

人に話すとたいてい笑えない話になるのだが、高校の時に自転車に乗った男にすれ違いざまに股を叩かれたことがある。

一人で学校から歩いて帰っていると前から猛スピードの自転車が迫ってきた。そしてその自転車の男が私のスカートに手を伸ばした。
おそらく脚を触られるとかスカートをめくられる流れだったのだろうけど、
幸か不幸か自転車のスピードが出過ぎており、そいつの手首が私の恥骨に思い切り当たった。

ガンッと鈍い音が体内を響いた。痛かった。

その恥骨殴り野郎はふっとんだ私を振り返ることもなく猛スピードのまま逃げ去っていった。
人生初めての痴漢は「エロ」というよりもむしろ「傷害」だった。

痛さと恥ずかしさで動揺した私のとった行動

周囲には見知らぬ人が数人、心配そうにこっち視線を向けている。
私はむくりと立ち上がった。と、そこに、同じ高校の友人とその恋人が偶然通りかかった。

痛さと恥ずかしさで動揺しまくった私は、何を思ったかその友人カップルに事の顛末を興奮して説明した。
ショックで泣き出すわけではなく、むしろ持ち前のサービス精神ですべらない話のように笑い飛ばしていた。

「めっちゃ痛かったわ~!」
「大変だったね……」

大笑いする私の横で友人は苦笑いを浮かべていた。

向こうも私のリアクションが意外だったのだろう。
その気まずい雰囲気をなんとかしたくて私はさらに茶化した。

友人と別れ、再び歩いて帰宅した。

家に着くとだんだんと腹が立ってきた。
自転車のスピードは卑怯だ。
他人の股に突然手を入れようとするなんて許せない。

それに万が一、あの瞬間に転倒して骨折などしていたら交通事故といっても過言ではない。

そして同時に不思議に思った。

「恥をかいて傷ついた私」は、なぜあんな風に咄嗟に笑い飛ばしてしまったのだろう?

「傷ついたことを隠す」という防衛本能

あの出来事以来、自分に言い聞かせている。
それは「傷ついたのなら素直に落ち込んでいいのだ」ということ。

オンナの性質なのだろうか?

「恥ずかしさ」という駅から「怒り」という駅まで電車が直行せず、
なぜか「恥ずかし駅」を発ったはずなのに気づいたら「お笑い駅」だとか「ごまかし駅」だとかに到着してしまうことがある。

泣いたり怒ったりする方がずっと素直なのに、そうはなれない複雑な沿線に迷いこんでしまうことがあるのだ。

それは自分自身の「傷」から目を背けるのと同じこと。
傷ついた時に気持ちをごまかすと、他者からも労りの言葉をかけてもらえない。
つまり、「傷」はますます癒えないのだ。

笑って強がってしまう女性に伝えたい。

どうか自分の「傷」を認めて絆創膏を貼ることを最優先に考えてほしい。

自転車に乗っての危険な行為に及んでまで性欲をもてあます男!
あいつは一生許さないけどな!!!

 

 

書いた人 みくりや佐代子

広島県生まれのライター・エッセイスト。広島大学教育学部在学中に学生結婚。2019年より趣味の一環としてコンテンツプラットフォーム「note」にて「ちゃこ」名...

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