私の推しへの愛を否定しないで。

オンナの叫び

私には複数の「推し」がいる。今回話題にする私の推しは、男性6人組のダンスアンドボーカルグループ。

日本での知名度はそれほど高いわけではないが、YouTubeに公開されているMVが合計で1300万回以上再生されていたり、TikTokのフォロワーが140万人以上いたりしていて、海外のファンも多数いる。


レギュラーラジオがあったり、毎日SNS投稿をしてくれたりと、ファンとのコミュニケーションを大切にしてくれるアーティストである彼らは、私の癒し。
オンラインライブやYouTubeを観たり、ラジオにメールを送ったり、SNSやブログにコメントをしたり、たまには友達に推しを勧めてみたり。私は日々、いわゆる「推し事」を楽しんでいる。

 

大きなステージへの出演。嬉しかった。

ある日、年に数回行われるファッションショーに推しの出演が決まった。
しかも、そのショーの様子は無料で配信してくれるという。

私が彼らを好きになったのは昨年4月の自粛期間だったから、オンラインワンマンライブは視聴したことがあるものの、出演者数も視聴者数も桁違いのイベントに出演しているところは見たことがなかった。
だから、大きなステージでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、とても楽しみにしていた。

 

ファッションショー前日。
インスタライブをしてくれた彼らは、ファンに向けて「たくさんコメントして盛り上げてね!」と発言した。

インスタライブのコメント欄にはたくさんの「頑張ってね!」「応援してる!」「たくさんコメントするね!」の文字。
推したちは出演できることを本当に喜んでいたし、多くのファンもステージを楽しみにしているようだった。

私も嬉しかったから、明日はたくさんコメントして盛り上げてあげよう!なんて意気込んでいた。

 

そして、待ちに待った当日。私は彼らの出番の15分ほど前に配信を見始めた。
ちょうどSNSを中心に人気のある可愛い女の子たちの出番だったようで、コメントは彼女らの名前や「かわいい!」「おしゃれ!」「似合ってる!」などのたくさんの称賛の言葉が並んでいた。

私は彼女らのことをあまり詳しくは知らなかったが、肯定的な言葉で埋め尽くされるコメント欄を見て、微笑ましく思っていた。

 

待っていたのは予想と違う光景

そして、いよいよ推しの出番がやって来た。
ステージが暗くなって、1曲目のイントロとともに登場した推し。

かっこいい!

そう送ろうと思って、推しに釘付けだった視線をコメント欄に移して、私は指を止めた。

「だれ?」

「なんか知らない人でできたんだけどw」

「もういいから早く次の子出てこないかな」

そんな言葉が並んでいるコメント欄に衝撃を受けた。
治安が悪いというかなんというか。

もちろん、同じファンの人たちの暖かいコメントもあったが、数が違う。
批判的な言葉がたくさん並んでいるコメント欄は、見ていて気持ちのいいものでは全くなかった。

 

中でも、「こんなのを好きなやつらもいるんだな」というコメントは、私の心を抉った。
大好きな推しのことを「こんなの」呼ばわりされるのも心外だったが、この大好きだというファンの気持ちまで全面否定されたのは辛かった。

どうして推しのことも私のことも知らない見ず知らずの人に推しも私の推しへの愛も侮辱されなければいけないのか。

悔しかった。

 

ただ、批判的なコメントをしている人たちはきっと推しが嫌いなのではなく、
ただ単に興味がないだけなんだろうということは簡単に想像がついた。

失礼は承知だが、彼らはデビューして数年だし、こんなに多くのアンチが発生するほどの知名度ではないはず。
よく「好きの反対は無関心だ」なんていうが、まさにその通りの状況が発生していた。

生配信だし、アーカイブは残らないと聞いていたから、このコメント欄を推しが直接見ることはないことだけが救いだった。

 

結局、私は推しに心の中で謝りながら、コメントが表示されている画面を非表示にしてライブを観ることを選んだ。
でも、いつものオンラインワンマンライブを観ている時のような純粋に楽しい気持ちだけでは観ていられなかった。

自分の興味のないものをこんなにも容赦無く批判する人たちがいることが信じられなかった。

 

推しへの愛を否定しないで

日常生活では散々嫌な目に遭っているんだから、せめて趣味の場所では好きなものだけ見ていたい。

こんな単純な思いすら邪魔をしてくる人がいるなんて思ってもいなかった。
それに、自分は無意識的にアンチをシャットアウトしていたんだということにも気づいた。

今まで私の視界に入っていたのはいつも推しが愛されている世界で、逆にいうと、私は推しを好きな人しかいない空間にしか身を置いたことがなかった。
その空間がいかに特別なものだったか、私はその日まで気づいていなかった。

私の彼らへの「好き」が否定される場所が、こんな身近な場所にあったとは。

悲しかった。

傷ついた。

でも、ここで傷ついてもアンチが喜ぶだけだ。
私ができるのは、私の大切な推しに愛を届けるだけ。私の推しへの愛を、他の誰かがとやかく言う筋合いはどこにもない。

私の推しへの愛を、否定しないで。

日下寿乃

ココから自分色に染まるライター 神奈川県の湘南出身、2001年生まれの現役女子大生。都内の女子大で総合政策を学び、メディア業界に就職するためにさまざまなスキ...

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